Kone さんがひったくり犯を捕まえたことは、とても大きな意味がある。彼は東大出の秀才。いくら頭のよい人でも、それをよい目的に使わなければ意味がない。
姉歯建築士なんか、なまじ彼が建築士の資格など取らなかったら、たくさんの人の人生を狂わせることにならなかったはず。つまり、姉歯建築士は勉強などしなかったほうが結果において他人のためになったことになる。勉強そのものや学校の成績なんて、自分や他人の幸福とは直接関係ないことは、オウム真理教にかかわった秀才たちがすでに証明している。
それに知性はむしろ行動力の妨げになる。頭のよい人ほど、とっさのときに適切な行動ができない。ふつうの人以上に馬鹿げた行動に走ることすらある。そのままにしておいたら誰かが苦しむことになるというのに「何もしない」ということは不作為犯という立派な犯罪になる。
Kone さんは、武道の達人でもなければ筋骨隆々のマッチョでもない。相手がどんなに弱そうでも、ふつうの人が暴漢に立ち向かうのには、勇気がいる。弱い人間ほど突然ナイフなどを取り出して振り回すからだ。Kone さんの勇気に心から敬意を表したい。